【要約】『自分の親に読んでほしかった本』の内容をまとめてみた

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少し前に話題になった『自分の親に読んでほしかった本』を読みましたが、子育てに悩むパパやママにとてもヒントの多い作品でした。

kiriko

子育てする上でずっと心に留めておきたい内容がたくさん詰まっていましたが、かなり長く1周読むだけでも時間かかったので何度も繰り返し読むのは厳しいかも…

自分の備忘録も兼ねてこの本の内容をまとめてみました!

目次

第1章:子育ての遺産は連鎖する

子どもが必要とするもの(限りない愛情、理解、身体的な接触、親からの多大な関心、親の時間etc)を与える過程で、親自身が子どもの頃に与えられた体験というのが他の何よりも邪魔してくる。

自分がどのように育てられ、何を受け継いだかきちんと見つめないと過去が攻撃してくるのです。

いまここで起こっていることでなく、自分自身の過去に反応していたということは誰にでも起こりうることなのです。

感情的な反応の引き金は、<今目の前に起こっている物事>だけでなく、<自分の過去の中>にもあると考えましょう。

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子どもにまつわることであなたが怒りを感じたり、過度に感情的な他の反応が起こったりするのは、自分が子供と同じ年齢だった時に抱いた感情から自分を守るためなのです。
(=自分の内なる子どもを悲しませないために、子どもに八つ当たりをしてしまうことがある)

子どもに対する苛立ちの原因が自分の手の届かないところにあると認めると、子どものせいではないと納得でき、子供に八つ当たりすることがなくなります。

もしもすでに八つ当たりをしたり間違った接し方をしてしまったとしても、それに気づいたのがずっと後になったとしても、親から修復の働きかけをしましょう。

⇨子供に必要なのは誠実で信頼できる親であって、完璧な親ではないのです。


自分が受けた扱いを次の世代に伝えないようにするのは難しいことです。

正体不明の感情に基づいて反射的に行動するのではなく、自分がどう感じているのか自覚しじっくり考える必要があります。

あなたに最も強くネガティブな反応を引き起こすのは子どものどういう行動か、考えてみましょう。

・あなたが子どもの頃、それと同じ行動をした時には何が起こりましたか?

目を閉じて一番古い記憶を探ってください

・その記憶の中で最も強い感情はなんですか?

・その記憶と、今のあなたにはどんな関連がありますか?

・その記憶はあなたの子育てにどう影響していますか?

浮かんできた「何か」を直視できれば、恥ずかしい気持ちに負けそうになったり、言い訳しながら今までと同じ行動を続けたりすることはもうないでしょう。


「良い母親」「悪い父親」(あるいはその反対)のような考え方が存在するせいで、私たちは少しでもやましさを感じるような行動については自己弁護に走ります。

そうすると、子供と同調できない点や、子どもの感情的なニーズを無視してしまっている点を直視しなくなります。

子供との関係を改善する方法に注意を払わなくなるのです。

これは後ろめたい事柄から逃れ、自分が正しいという主張を隠れ蓑にすることにもつながります。(そうすれば「良い母親」「良い父親」というアイデンティティにしがみつけるからです。)

恥ずかしく思う気持ちが強すぎて失敗を認めることができないと、物事を正すこともできません。

「悪い親」というラベルはこの恥ずかしく思う気持ちを増大させるのです。

母親や父親の属性に「良い」「悪い」を加えるのはやめましょう。完全な善人も完全な悪人もいないのです。

自分を判定すべきでないのでと同じように、子どものことも判定しない努力が必要です。子どもを判定することはなんの役にも立ちません。

親が自分自身についてどう感じているか、子どもに対する自分の反応にどれだけ責任を感じているかは、子育ての鍵となる重要な側面ですが見落とされがちです。
(子ども自身や子どもの行動にだけ注目する方が、親子が互いにどういう影響を与え合うか分析するよりずっと楽だから。)

第2章:子どもの環境を見直す

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私たち大人は子どもの人生から苦痛や不安を取り除きたいと願います。
しかし子供を完全に守ることは不可能です。不安、解けない謎、切望、喪失といったものが全くない人生などあり得ません。

⇨子どもが苦痛に耐えられるようにするには、苦痛を感じているときに一緒にいることです。

苦痛を完全に取り除くことができなくても、否定したり押しやったりせずに受け入れて入れれば、苦しい期間を一緒にやり過ごすことができます。
(そうやって心を寄せて一緒にいることで、何があっても耐えやすくなります。)


たいていの家族は議論しますが、これは衝突に対処する方法であり、その問題を解決する方法でもあります。

議論をするときのポイント

(1)自分の感情を認め、相手の感情を考慮する

「正しい」「間違っている」という観点から考えるよりも、互いにどう感じているかを考えましょう

(2)自分自身の気持ちを明示し、相手の気持ちを決めつけるのをやめる

「あなた」ではなく「私」を主語にして話す

(3)すぐに反応せず、じっくり考える

もし苛立ちや怒りを感じたら、立ち止まってその理由を理解しようと努めましょう

(4)自分の弱さを怖れるのではなく、受け入れる

自分の弱さを許すこと、自分の本当の姿をオープンにすることでしか、密接な人間関係は築けないのです。

(5)相手の意図を決めつけない

一方的に決めつけたり、自分の気持ちを投影したりせずに、相手が本当はどう感じているのか理解するように努め、もし自分が間違っていたらそれを認めましょう。

⇧親がこれらを全て実行できていれば、親子間の接し方のパターンは大抵すぐに改善します。

第3章:感情に向き合う

自分以外の人々(とりわけ自分の子ども)が幸せでない時、私たちが選ぶ反応の一つは、厄介な感情を否定することです。

子どもの感情を軽視し、目を逸らすように仕向け、アドバイスしたり叱りつけたりして、その感情を捨てさせようとするのが適切な行動だと感じているのです。

しかし、そうした感情は否定されてもただ隠れるだけで、見えないところで悪化し、後になってトラブルを引き起こします。

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成人の鬱の最も一般的な原因は、その人に現在起こっている物事ではなく、子どもの頃に親との関係でなだめられることがなかったせいなのです。

理解され慰められるかわりに、感じることそのものを禁じられたり、泣き寝入りするまで放置されたり、怒りの感情に一人で対処するしかなかったりすると、現実と感情のずれが蓄積されるにつれ、不快感や苦痛に耐える能力がどんどん低くなっていきます。

困難な感情を押し込めておくスペースがいっぱいになると、感情が行き場を失います。

今まで子どもの感情にどう反応してきたか考えてください

・抑え込む

「シーッ」「大騒ぎしないで、大したことじゃないでしょ」「勇気を出して」などいつも子どもの感情をはねつけていると、あなたが本当はどう思っているかに関係なく、子どもはだんだん感情を見せなくなります。

・過剰に反応する

子どもを思うあまり、あなた自身が子どもと同じくらいヒステリックになったり、一緒に泣いたりします。(まるでその苦痛があなた自身のものであるかのように)

⇨これはよくある間違いです

こんなふうに感情を乗っ取ると、子どもはあなたに感情を見せなくなります。

子どもはあなたに重荷を負わせているように思うか、あるいは心を侵害されているように感じるのです。

・受け皿になる

全ての感情をあるがままに受け入れることです。
(ex.「まあ、かわいそうに、あなたは悲しいのね。抱っこしてほしい?それならこっちへ来て。ほら、気持ちが落ち着くまで抱っこしていてあげるから」)

子どもの言動に過剰に反応することなく感情を真剣に受け止め、落ち着いた、楽観的な状態を保つことができます。

見ていてもらえるし、なだめてもらえるけれど、決めつけられることはない。それが分かっていれば、子どもは自分の気持ちを話してくれるでしょう。

⇨子どもが必要としているのは、親が自分の感情の受け皿になってくれること

受け皿になるとは、子どもの中にある怒りを目の当たりにし、なぜ子供が怒っているのかを理解し、場合によっては子どもの代わりにその怒りを言葉にして、怒りを表現する適切な方法を示すことです。

怒りに対して罰を与えたり、親の方が圧倒されたりしてはダメなのです。(他の感情についても同様)

子供が負の感情を抱くことを親が叱ると、泣いて悲しむ理由を2つ与えてしまうことになります。

1つは悲しいと思ったもとの出来事。もう1つは、親が腹を立てていること。

コントロールするのではなく、心を寄せて、泣いている子供を宥める方が良いという考え方を貫きましょう。

子供が必要とするときに感情をしっかり受け止めれば、子どもは徐々に感情を宥める方法を内面化し、最終的には自力でできるようになります。

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何かを悲しいと感じるのは、人生によくあること。
しかし、悲しいと感じると叱られるというパターンが内面化されていると、何かひどいことが起こった時、自分が泣くこと自体に罪悪感を持ってしまうでしょう。

子どもの感情を受け入れるより、子供が感情を示したことを叱る方が簡単に思えるかもしれません。(とりわけあなたが両親から感情を否定されて育った場合には)

実際そうなのです。あなたは上の世代から受け継いできた感情の鎖を断ち切り、子どもの心の健康の土台を築こうとしているところです。

ちなみに、うっかりしてあまり反応しないことがあった、または過剰に反応してしまったというような間違いがあっても、概ね態度を改めることができたなら、こどもの心の健康が後々まで損なわれることはありません。


もしあなたが「昼食の前にアイスを食べてはダメ」と言ったせいで子供が泣いているのなら、必要なのはアイスを与えることではありません。

また子供が保育園に行かなくて済むように仕事を辞めるのも、子供が悲しそうな顔をするたびに屈するのも間違いです。

大切なのは、こどもの感情を真剣に受け止め、何かを決める時に考慮に入れることです。

否定したり気を逸らしたりするのではなく、ありのままに受け入れ、理解して宥め、逃げたり距離を置いたりしないことです。


あなたは子どもが話せる1番の相手になるべきなのです。

もしあなたが、「おばあちゃんが美味しいスープを作ってくれたのに文句を言うなんて馬鹿ね」と言えば、子どもは変なピアノの先生が脚に手を置いてきた時もあなたに話せなくなるかもしれません。

親にとってはこの2つの違いははっきりしていますが、子供にとってはどちらも「なんか気持ち悪い」の一言でくくれる物事なのです。

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その「気持ち悪い」をあなたが無意味なものとしてはねつけるなら、子どもは恥ずかしい思いをしてまで何かを打ち明けるのはもうやめようと思ってしまいます。

こどもの悲しみ、怒り、不安を、矯正すべきネガティブな感情として扱うのではなく、子供についてよく知るチャンス、つながりを築くチャンスと捉えるなら、親子の結びつきを深めることができるでしょう。

そうすれば、子どもが幸せになる能力をより大きく伸ばせます。

子どもの気を逸らすというのは誠実さのない小手先のテクニックで、こどもの知性への侮辱でもあります。

衝突を避けるために他の子が使っているおもちゃから気をすらすのは相手を理解する助けにも、交渉によって争いを切り抜けるやり方を身につける助けにもなりません。

厄介な感情を避けていては、それに対処する方法は身につかないのです。

怪我をしたり、心を傷受けられたり、望みを否定されたりしたときに、そこから気を逸らすように仕向けたら、子どもが困難な事態に向き合うのを邪魔することになります。

困難な物事から逃げるようになってほしくないなら、気を逸らしてはダメなのです。

第4章:親になるための土台をつくる

妊娠出産は一生かけて好意や愛情に溢れた関係を築く相手をこの世に送り出す営みです。

妊娠とは本質的にリスクのある状態なのです。

子どもが関わる物事については楽観的に考える習慣をつけましょう。(物事を楽観的にとらえる習慣を身につけようという心がけは妊娠中から始められます。)

親子関係においては、相手を受けれ入れる姿勢、温情、思いやりが最も大事であることは忘れないでください。

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自分のエネルギーが不足している時に、子どものために時間を割き常にあたたかい反応をするというのは難しいことです。

もしエネルギーが枯渇したように感じたならサポートを受けてください。(例えば家事の手助けなど)

人手を借りて余裕が生まれたら子供にもっと意識を向けたり睡眠を取ったりすることができます。


親として理想的とは言えない考えについて、人に話すことなどできないと思い込んでいるとあなたの感情や妄想はより大きく、より手に負えなくなります。

話ができること感情を浄化できる場所があることが重要で、それがあれば良くない考えを実行に移して子供を傷つけてしまうこともないでしょう。

子どもを傷つけるのは親が抱く感情や妄想ではなく、親が子どもに対して実際にどう振舞うかです。


子どもがあなたに近寄りたがったらそばにいてください。

孤独は子供にとって不快なものであり、喉の渇きや空腹と同じく満たされる必要があります。

子どもの気持ちを重要でないもの、取るに足りないものを見なすのはやめ、真剣に受け止めることです。

第5章:心の健康を育む

乳幼児にとって、相手から反応してもらいたいと思うのは「欲求」ではなく、「必要」なことです。

赤ちゃんから親への要求が少ないことを(「手がかからない」とか「育てやすい」とか、「いい子」と言われる状態)をー良いことと見なす人もいます。

しかし、赤ちゃんが大人の生活に最低限の影響しか与えないようにコントロールするのは、人間性を否定する行為です。

親は赤ちゃんからの影響を受け入れる必要があります。

そうしないと、子どもは過剰に適応して自分を親の付属物と感じるようになり、自意識や人間性の一部を損なってしまいます。

人は幼い頃に必要なものを得られないと(相手に目を向けてもらえなかったり、十分な反応が得られなかったりすると)、1つの成長段階から抜け出せなくなり、関心を向けてもらおうとし続けることがあります。


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子供との関係が一種の戦争状態に陥ってしまい、全ての関心がネガティブなものになって苛立ちしか感じられなくなったらどうすれば良いでしょうか。

⇨まず、子供からも家からも離れ、つもり積もった怒りを安全に発散できる場所を探してください。
(ex.批判せずに話を聞いてくれる人に打ち明けるor防音完備の部屋でクッションを殴ったり叫んだりする)

子どもとあなた自身の感情の温度計をリセットするには、幾らかの時間を共に過ごす必要があります。

一緒に出かけるような「楽しくて質の高い時間」ではなく、ラブ・ホミングする時間(始まりと終わりを決めて、常識の範囲内で子供の言いなりになる時間)です。

どこで何をするか、子どもが決めるのです。

ラブ・ホミングの実践では、子供に親の関心を集中的に与えます。

愛情や思いやりを向けてくれさえすれば関心を引くために相手を苛立たせる必要はなくなります。

2人の間にあるネガティブなパターンを断ち切り、ギブ・アンド・テイクのリズムで動けるようにリセットします。

子どもに必要なのはあなたが関心を向けることです。

これは避けることができない上に、近道もありません。

「よくやった」「すごいね」と伝えるのは得策ではありません。子供を判定してはダメなのです。

子供に必要なのは普通の対話です。


子どもはいずれ自然と親から離れるということを、私たちは意識して覚えておく必要があります。

親がそこにいていつでも頼れるとわかれば子どもは自由に離れていけるのです。

親の方から離れることで子供の自立を促してはいけません。

それでは自立のプロセスの邪魔になり、かえってプロセスが長引く上に、安定したアタッチメントも阻害してしまいます。

子供の自立を急かしすぎていると、親子関係にダメージを与え修復が必要になります。
親にとっては自立を励ましているつもりでも、子供にとっては突き放され罰を与えられていると感じられることもあるのです。
子どもが自分のペースで親離れするのを信じて、親のペースを押し付けるのはやめましょう。

第6章:行動を変える

子どもはあなたの真似をします。今はそうでなくともいずれそうなります。

子どもの行動に対して一番大きな影響力を持つのは、おそらく親である私たち自身の行動です。

子どもが不適切な振る舞いをするのは、それに代わるもっと効果的な方法で感情やニーズを表現することができないからです。

親であるあなたの仕事は、子どもの行動を読み解くことです。

この子の行動は何を伝えようとしているのか?

もっと良いやり方でコミュニケーションが取れるように手を貸せないだろうか?

この子の振る舞いに、私の行動はどう影響を与えたのだろう?

全ての行動はメッセージです。行動の裏には感情があります。

行動の裏の感情を発見し、共感に努めれば、その感情を言葉にできます。子どもが自分の気持ちを表現する手助けができるのです。

すると子どもの方は、それ以上行動で自分の感情を表す必要がなくなります。


従来は「子どもの好きなようにさせる」のは良くないことだと考えられてきました。

親たちは子供の癇癪を恐れいています。一度でも受け入れてしまったらそれに味を占めた子どもが永久に癇癪を起こし続けると思っているのです。

こういう「子供を勝たせてはならない」ゲームをしても誰も勝者にはなりません。

良好な関係を築こうとしている訳でなく、操ろうとしているだけだからです。

親にとって不都合な感情の爆発や不機嫌は、子供の意図的な厄介行動というよりは、発達の節目にある証です。

子どもが人を困らせる行動をとるのは親が甘いからだとよく言われますがこれも違います。

子どもの行動は親が厳しいか甘いかとは関係ありません。

それよりも4つのスキル(ストレス耐性柔軟性問題解決能力相手の視点で物事を捉える能力)を身につける早さの問題なのです。


子どもが不都合な行動をしたのはいつのことか、記録してみましょう。

引き金はなんですか?

お子さんが最も困難を感じ、ストレスを溜めるのはどういう時ですか?

あなたの態度もストレスの一因になっていませんか?

こうしたことはあなたが観察する必要があります。

特に幼児の場合には、自分がその状況に対処できないのはなぜか、自分の言葉で説明するのはとても難しいのです。

子どもが躓く状況を変えたいと思ったら、立ち止まって子どもの気持ちを想像しましょう。

子どもが自分の気持ちを言葉にできたらなんというか思い描き、何が助けになるか考えます。


子どもの行動の舵取りをするときに、主要なアプローチは3つあります。

①厳しくする ②甘くする ③協力する

『①厳しくする』の場合

危険なのは、「自分は常に正しい」という態度や、柔軟性のなさや、ストレスを受け付けない姿勢の見本を示していることです。

自分の主張を子どもに押し付けることで、常に「正しく」あれ、強硬であれ、不寛容であれと見ず知らずのうちに教えてしまっているのです。

自分の意思を常に子どもに押し付けるのは、倫理観や協調的な態度を育む最良の方法ではありませんし、子供と良好な親子関係を築く上でも良い方法ではないのです。

『②甘くする』の場合

甘くするとは、自分なりの基準や期待を子供にいっさい伝えないことです。

親が子供のために全く境界を設けないのは、リスクを嫌う子育てへの反動か、自分自身が子供として経験してきた権威主義的な子育てへの反発のせいです。

自分で基準や目標を設定できる子もいますが誰もができるわけではありません。

自分が何を期待されているか分からない子どもは途方に暮れ不安になります。

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しかし手綱が緩いのは悪いことばかりではありません。子どもにまだ準備ができていない場合、親が子どもへの期待値を下げることは理にかなっています。

⇨甘くする、手綱を緩めるというのは、協力の上で解決する準備ができるまでの短期的な解決策として有益です。

『③協力する』の場合

親と子どもが額を寄せ合って問題解決を考える方法で、あなたは独裁者ではなくカウンセラーになります。

協力する方法とはどんなものでどんな効果があるでしょう。

(1)自分の考えを明示することによって、問題を明確にする
→「部屋をきちんとしてほしい。私はあなたに部屋を片付けてほしい」

(2)行動の背景にある感情を突き止める。子どもには助けが必要かもしれない
→「友達が散らかしたのに自分一人で片付けるのはフェアじゃないと思ってる?」
「片付けようと思っても手も足も出ない感じ?整理することなんか永久にできそうにないと思ってる?」

(3)その感情を受け入れる
→「不満に思う気持ちは分かるよ」「大仕事の最初は圧倒されるよね」

(4)意見を出し合って解決方法を考える
→「それでもやっぱり片付けてほしい。一番簡単な方法は何かな?」

(5)決まったことを最後までやり通す。必要があれば、いくつかのステップを繰り返す

(2)が最も厄介かもしれません。同調したくないことをあえて口にするのは難しいと思う人もいるでしょう。

しかし自分にとって不都合な感情だからとはねつけると、子供の方も頑として譲らなくなります。

子どもがどう感じているか突き止めたら問題を見直します。

意見を出し合って一緒に解決策を探すときは子供に主導権を与え、何を提案してきても即座にはねつけたりしないことです。

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もしあなた自身が権威主義的なやり方で育てられ、それが理想的だと思っているなら、この「協力する方法」はずいぶんまわりくどく思えるかもしれません。

しかしここで重要なのは、部屋が片付くと同時に、親子が思っていることをオープンに話し合うことによって、2人の関係に気を配り、歩み寄りつつ問題を解決する方法を学んでいる点です。

⇨子育ての本当の仕事は部屋を片付けることではなく、子どものそばで成長の手助けをすることです。


親が目指すべきは、子どもが赤ちゃんから大人になるまでの間、コミュニケーションの回線を開いておくことです。

感情や態度が不都合なものである時も、子どもがあなたに本当のことを話せる全ての感情を受け入れてもらえると思えることが重要なのです。

もし子どもが嘘をついたり、あなたがやめてほしいと思うような行動をしたら、反射的に反応するよりも、嘘や問題行動の裏にある理由、感情を探ってください。

親がそういう感情を理解し受け入れれば、子どもが自分のニーズを表現するのにもっと好ましい方法を見つけられるようになります。

あなたの子どもが嘘をついた時には人が嘘をつく理由を思い出してください。

・発達の一段階であること
・子どもはあなたの真似をしているということ
・自分のプライベートな空間を放り開こうとしているのだということ
・自分の気持ちを伝えようとしているのだということ
・罰もしくは混乱を避けようとしていること

嘘をつくことが問題になるようなら、罰を与えるよりも、嘘の背後にあるものを突き止めることで問題解決に繋げる方が良いのです。

子供に罰を与えても嘘をつくのが上手くなるだけです。

こうと決めつけたり、罰を与えたりすればするほど、子どもはあなたに心を開かなくなります。


愛情と境界線は誰にでも必要です。どちらか一方ではダメなのです。

限界に達する前に境界線を明示しておくといいのです。

例えば、家の鍵や車の鍵をいじられるのが嫌な時には「私は鍵で遊ばれると我慢できないの」と言って、持ち去ります。

境界線は冷静に、しかし断固として伝えます。限界に達してしまったら、怒鳴りながら鍵をもぎ取るとか、子どもが怯えるような対応をしてしまうかもしれません。

境界線に効力を持たせるには、空疎な脅しをばら撒かないことです。

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ただの脅しだと分かるまでは、子供にとっては怖いので思考プロセスが遮断されてしまい、熟慮する姿勢を学ぶことなどとてもできません。
そのうえ、ひとたび脅しが本気でないとわかってしまったら、子どもは大人の言うことを真剣に受け止めなくなります。

何かを言うときは本気で言い、断固として言った通りの行動をしてください。あなたの境界線を譲らないことです。

子どもは癇癪を起こすかもしれませんが、不満については同情を示せば良いのです。


親子は同じ側にいる味方だということを忘れないでください。

子どもの気持ちに耳を傾け、共感を示し、不満を受け止め、断固とした態度をとるべき時と、柔軟性をはっきすべき時をはっきり区別することです。

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柔軟になった方が良いのは、長い目で見て計画や期待値の変更が何かを危険に晒すことがない場合や、人目が気になるせいで頑なになっている時あなたが子どもとの関係を重視するのではなく、子どもを操る方向に脱線しかけた時です。

人から何かを決めつけられ、指図されるのが好きな人などいません。自分でそれを必要と思っていない時にはなおさらです。

自分の都合で構いません。客観的であるふりをするよりも、自分の気持ちをはっきり伝えたほうが良いのです。

カッとなって怒りを爆発させると、子どもはショックで心を閉ざしてしまうことがあります。

親自身が自分の限界を知り、その限界に達する前に境界線をしっかり守る方がずっと良いのです。

最初から明瞭なコミュニケーションを心がけ、自分の気持ちを話すこと、子どもの気持ちに耳を傾けて真剣に受け止めることを習慣にしておく必要があるのです。

子どもに対しては正直であるべきです。自分の気持ちは関係ないようなふりをするよりも、気持ちをきちんと子どもに明かした方が良いのです。


より良い行動のために意識すべきこと

・子どもへの決めつけをやめて、自分の気持ちを明示する

・あなたの決断が事実に基づいているようなふりをしない。実際にはあなたの感情や好みに基づいているのだから

・親子は敵ではないのだということを忘れない

・支配するより、協力して、意見を出し合う

・誠実さの欠如は断絶を生む。あなたが誠実になることで関係は修復できる

・子どもは自分がされたことをする

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親が子どもの気持ちを馬鹿らしいとはねつけたりしなければ、
決めつけることなくしっかり耳を傾ければ、
そして子どもの経験を認めれば、
親子の間のコミュニケーションの回線が開かれて、親子共に年齢が上がっても、子どもはあなたに打ち明け話をするでしょう。

親子関係を修復しようと思うなら、遅すぎることはないのです。自分の行動、子どもの行動に隠された感情を探り、その感情を理解しようとすることです。

まとめ〜今日から始められること〜

★自分の親から受け継いだ障害物を取り除く。
この障害物はあなたの築く人間関係において、温情、受容、身体的な接触、そばにいること、理解することを防げます。

★意見の不一致にもきちんと対処できるような、安全で調和の取れた家庭環境をつくる。

★子どものニーズを受け入れる。
子どもが必要とするのは、あらゆる年齢の人々と一緒に遊ぶこと、なだめられた経験、親からたくさん関心を寄せてもらい、時間を割いてもらうことです。

★物事を自分の視点だけでなく、子どもの視点からも捉えられるようになる。

★あなたが子どもに感じてほしいことではなく)子どもが本当に感じていることを表現できるようにサポートする。
子どもの感情を(あなた自身の感情も)理解し、認めようと努める。

★親がむやみに助けず、子どもが自分で問題を解決できるようにサポートする。
意見を出し合って答えを出せる場を設け、子どもに指図しない。

★境界線を引く。その際、子どものことを一方的に決めつけず、自分の気持ちを明示する。

★自分の間違いを受け入れる。弁解がましくならず、間違いを認めて軌道修正することで、状況を修復する。

★「勝ち負けのゲーム」のような昔ながらの力関係を手放し、協調と協力を取り入れる。

ひとことで言えば、子どもとの関係を宝物のように大切にするということです。

また、親が子どもに幸せでいてほしいと思うと、子どもに無用なプレッシャーを与えてしまいます。

親は子どもがどんな気持ちでいる時も、そばにいて支えるだけで良いのです。


kiriko

かなり長くてサクサク読める感じではなかったですが、個人的にこの本は読む価値大アリでした!マインドセットや行動変容を促してくれました。

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この記事を書いた人

元金融系OL→元駐妻→現専業主婦(神奈川在住)

日々お得を探し求めながら、初めての育児に奮闘中のアラサー主婦

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